3. 自動車メーカー様からの評価は

―リバー様との取り組みでリサイクルしたプラスチックに関して、一般的な自動車メーカー様からの評価を教えてください。

平畠TL:

昨年の人とくるまのテクノロジー展にリサイクル材を配合したPP樹脂で成形したドア部品などを展示しました。来場された自動車メーカー様から非常に好意的な反応がありました。「これはリサイクル材ですか?」と驚かれたり、「いままでのリサイクル材の認識とは違いますね」、「この材料なら自動車に使用できますね」といった声をいただいたりしました。

 

現在、ご要望いただいたお客様へのサンプルの提供を行っております。今のところ、お客様における試作検討の段階ですが、不具合の報告は受けておりません。

 

-今回の業務提携において、他社に対する優位性は何でしょうか?

平畠TL:

今回の業務提携における当社の優位性は、地域性を重視した事業展開です。リバー社は関東エリア(千葉、埼玉)に解体工場を持っております。

 

廃自動車リサイクルにおいては、現地の廃車は現地の土地で解体することが基本だと考えています。例えば、北海道で廃車になった自動車を九州の解体工場に送ることは、運送コストがかさむため効率的ではありません。一方、廃車から取り出した樹脂のみであれば、新品の樹脂材料(バージン材)と同様の物流ルートで輸送できます。

 

そのため、ある程度のエリアで廃自動車をまとめて解体する仕組みをつくること、つまりハブとなるような解体工場を各地に作り、効率的にプラスチックを回収することが、マテリアルリサイクルのビジネスにおいては不可欠な条件となります。

 

 

4. 今後の展望

松本部長:

まとめると、静脈産業、つまりリサイクル事業においては、その土地ごとに解体を行うことが基本となります。つまり、地域ごとに最適なパートナーと連携し、全国的なリサイクルネットワークを構築することで、効率的かつ持続可能なリサイクルビジネスを目指していきたいと考えています。

 

―自動車メーカー様や他の産業機器メーカー様に対して、主にどのようなサービスを提供する予定ですか?

平畠TL:

廃自動車のリサイクルに関しては、2030年という目標年があるものの、日本国内では時間的な切迫感が薄いのが現状です。しかし、住友化学とリバー社は既にリサイクルポリプロピレン(PP)の量産に向けて準備を進めています。そのため、自動車業界に限らず、PPを使用しているメーカーには再生材の需要があるはずだと考え、様々なお客様にアプローチしています。また、回収するプラスチックについても、様々なルートからの収集を進めています。

 

松本部長:

現在、市場でリサイクルが進められている製品は、自動車以外に家電や包装材料があります。回収するプラスチック製品は、主に硬質プラスチックと軟質プラスチックに分類されます。

 

軟質プラスチックは、一般用包材、スナック菓子、ラーメン用などの包材になります。これらは、特に自動車向けPPコンパウンドに要求される物性を達成するのに不向きです。そのため、住友化学として回収対象とする分野は自動車、家電、OA機器などの硬質プラスチックになります。

 

また、数量的に集めやすいのは一般包材用などの軟質プラスチックですが、使用時に付着した汚れや、数種類のプラスチックが積層されている場合も多いため、質の良いリサイクル材を得ることは困難です。

 

リサイクル材の販売先としては、自動車業界が最も大きな市場と考えておりますが、その他にも、当社のリサイクル材の価値を訴求できる分野へのご紹介も進めていきたいと考えています。

 

―住友化学の新しいリサイクルシステムは、他社に比べてどのような優位性がありますか?

松本部長:

他社に対する優位性は2つ有ります。1つ目は製造設備における技術的な優位性です。得られたリサイクルPPの品質が高いことや機能性が上がることです。また技術的な優位性を維持するために住友化学の蓄積された技術を注ぎ込んでいます。

 

もう一つはビジネスモデルとしての優位性です。これはリサイクルビジネスにおいてリバー社と組んでいることです。リサイクルビジネスにおいて、リバー社のような解体回収業者様とこれだけ深いつながりを構築したメーカーは有りません。
 

 

5. 幅広い業種にわたるお客様へのメッセージ

―カーボンニュートラルの実現に向けて、今回のリサイクルシステムがどのように貢献できるとお考えでしょうか?

平畠TL:

マテリアルリサイクルは、素材を再利用する方法であるため、新たな石油の採掘量を減らすことができます。さらに、廃プラスチックの焼却を回避できるため、GHGの削減に大きく貢献し、資源の循環を可能にするシステムとなっています。具体的な削減数値については、今後、検証を進めていく予定です。

 

 

―これから廃プラスチックのマテリアルリサイクル、及び、リサイクルプラスチックの活用をご検討の方々へのメッセージをお願いできますか?

松本部長:

日本国内で使うものを日本で循環していく、サーキュラーエコノミー(循環型経済)が大切です。

 

平畠TL:

サーキュラーエコノミーに参加したい方がいれば、一緒に取り組みを始めませんかと言いたいです。廃プラスチックを単なるゴミではなく、貴重なプラスチック資源と考える人々に協力を呼びかけ、共に活動していきたいと考えています。

 

松本部長:

循環型社会の実現において、子供たちに「ゴミ分別」の大変さを肌で感じてもらう機会を提供することは重要だと考えています。

 

例えば、建材廃棄物の処理現場ではエッセンシャルワーカーの方々が、手作業でベルトコンベヤー上の廃棄物を大変な手間をかけて処理しています。このような現場の現状を、学校教育の一環として子供たちに見学してもらうなど、ごみ処理の問題ついて学ぶ機会をもうけるべきではないかと考えます。

 

平畠TL:

現在の若者(10代)は、我々の世代よりはより充実したSDGS教育を受けています。

 
松本部長:

現在、いろいろな会社が、小中学生の工場見学用にパンフレットを作成しています。住友化学も同様にパンフレットを作成し、小中学生レベルから「ごみのリサイクルの重要性」を認識し、これをきっかけに世の中を変えるようになってほしいと考えています。

 

 

当社では、リバー様と業務提携し、使用済み自動車のプラスチック資源循環システムの確立に向けて取り組みを加速しております。

 

廃プラスチックを分別し、住友化学独自の技術で高品質を維持する、住友化学のノーブレン® Meguri®について、詳しく知りたい方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。

 

記事をもっとよく理解するための情報

この記事以外にも炭素資源循環の実現に向けた、様々な情報を紹介しています。以下のリンクからご参照ください。

 

【関連サイトリンク】

 

【プロジェクトサイト】
ノーブレン® Meguri®

 

【ニュースリリース】
自動車分野のマテリアルリサイクル事業化に向けたパイロット設備導入へ

 

 

【ニュースリリース】
住友化学とリバー、
マテリアルリサイクルの事業化で業務提携

 

【炭素資源循環情報リンク】

 

 

 

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2025年6月作成