1. 用語の概要

温室効果ガス(GHG、Greenhouse Gas)は、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガス(※1)などの気体で、化石燃料の燃焼、工業プロセス、ガスの使用・漏洩などの人間活動による大気中への排出量が近年、大量に増加しています。これらのガスの増加は地球の気温上昇を促すため、気候変動の抑制にはGHG排出量を削減する必要があります。

 

 

2. GHGの排出量算定

自社が排出しているGHG排出量を把握することは重要です。GHG排出量は、自社内における直接的な排出だけでなく、自社事業に伴う間接的な排出も対象とし、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指します。その算定はGHGプロトコル(※2)に従い、GHGの排出源を排出方法や排出主体により、「Scope1(直接排出)」、「Scope2(エネルギー起源の間接排出)」、「Scope3(自社事業の活動に関連する他社の排出)」の3つに区分し、これらの3つの合計を「サプライチェーン全体の排出量」としています。以下では、それぞれの区分の概要を説明します。

 

Scope1(直接排出):

Scope1は、製品を製造する際に製造プロセスや燃料を燃やすなどして自社が直接排出するGHGのことです。例えば、化学メーカーが製品を製造する際、原料を化学的に加工した場合や、ボイラーなどで燃料を燃焼させたり、製造プロセス中で燃料を燃焼させたりして熱エネルギーを利用する場合に、排出されるGHGがこれに該当します。

 

Scope2(エネルギー起源の間接排出):

Scope2は他社から供給を受ける電気や熱、蒸気を使うことで自社が間接的に排出するGHGのことです。例えば、化学メーカーが、電力会社から電気の供給を受けた場合、電力会社がその電気の生産において排出したGHGがこれに当たります。よって、火力発電による電気の供給を受ける場合には、その発電において使用した化石燃料の燃焼により排出されるGHGがScope2に該当します。

 

Scope3(自社事業の活動に関連する他社の排出):

Scope3は自社の活動に関連した他社のGHG排出のことで、もの作りのサプライチェーンの上流から下流までのプロセスの中で排出されるScope1、Scope2を除いたGHG排出を指します。例えば、購入した原材料に伴うGHG排出、原材料メーカーから自社へトラック輸送される際に排出されるGHG、製品の廃棄の際に発生するGHGなどがScope3に該当します。また、自動車など消費者が利用する際にエネルギーを必要とする製品についても、その利用におけるGHG排出もScope3に含まれます。

 

 

 

①GHG排出量とは
GHGは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなどの気体のことを指し、化石燃料の燃焼、工業プロセスなどの人間活動による大気中への排出量が増加していることが問題となっています。これらのガスの増加は地球の気温上昇を促すため、それを抑制するためにはGHG排出量をコントロールする必要があります。

 

②GHG排出量の算出
GHG排出量をコントロールするためにも、排出量を正しく算出することは重要です。その算出についてはGHGプロトコルによって、「Scope1(直接排出)」、「Scope2(エネルギー起源の間接排出)」、「Scope3(自社事業の活動に関連する他社の排出)」という3つの区分に分けられ、これらの合計をサプライチェーン全体の排出量と規定されています。

【住友化学の取り組み】

 

【ニュースリリース】
2050年カーボンニュートラル実現に向けたグランドデザインを策定
~30年度GHG排出量50%削減の新目標と取り組みを決定~

 

【取り組み事例】
カーボンニュートラルの実現を目指す!住友化学のGHG排出量削減への取り組み

【炭素資源循環情報リンク】

 

注釈

※1 GHGには様々なガスの種類が存在し、その種類によって温室効果の能力が異なります。二酸化炭素を基準として他のGHGにどれだけ温室効果の能力があるのかを示す地球温暖化係数(GWP)によると、メタンは二酸化炭素の28倍、一酸化二窒素は265倍、フロンガスの一種であるトリフルオロメタンは12,400倍もの温室効果があるとされています。

 

※2 GHGプロトコル:温室効果ガスの排出量を算定し、報告する際の国際的な規準です。企業はこの基準に沿って報告することで、信頼性のある情報開示が可能になります。